どうも。ひょろガリーマン(@30muscle)です。
今回はみんな大好き!筋肉増量(バルクアップ)についてです。
筋量を増やすのに何が大切か、鈴木雅選手がどう考えているのか、といったことをみっちり講義していただきました。
筋量を増やすキーポイント
筋量を増やすのに大切なことといって真っ先にあげることといったらなんでしょうか。
そうです!『インスリン』です!
…えっ?考えていたものと違う?
自分自身は知っていることだったので驚きはしなかったのですが、ネットの情報を見るとトレーニング内容ととにかくトレーニング後にはプロテインを飲んでたんぱく質を摂取!というものしか書かれていないものが多いので、知らなかった方はこれを機にしっかり意識しましょう。
インスリンは筋肉がついたり脂肪がついたりする要となるものです。
ただし、インスリンが出にくい人や出過ぎてしまう人は血中脂肪になってしまうので、そこは注意が必要。
鈴木雅選手曰く、糖を摂って太りやすい人と太りにくい人はこのインスリンの出方で分かれるとのことです。
インスリンの感受性を上げるコツ
インスリンが増えると脂肪も増えやすくなるわけですが、できれば筋肉にしっかりといってもらいたいですよね。
そのためには、まずインスリンの役割と感受性をよくする方法を知ることが大切です。
まず、インスリンの役割ですが、これはズバリアミノ酸の吸収をよくすることです。
糖分をしっかり摂ると、アミノ酸、つまりプロテインや肉などを吸収できるようになり、さらにたんぱく質の同化もよくなるので、トレーニング直後はとくにプロテインだけではなく、糖質もしっかりと摂るようにしてあげるようにしましょう。
では、どうすればインスリンの感受性が高くなるのでしょうか。
結論からいうと、体脂肪をある程度低い状態に保つことです。
そのため、とくに減量が終わったばかりで体脂肪が低い人は感受性も高く、太りにくい状態となります。
ただ、同じ量を食べていても、途中でバルクアップしなくなるときがくるそう。
そういう時は、インスリンが出なくなっていて、感受性が悪くなっている時なので、しっかりと対策をしなければならないそうです。
インスリンの感受性が悪くなったときは…?
鈴木雅選手は、以下のようなボディビルダーで失敗しやすい例を挙げてくれました。
ボディビルダーで失敗しやすい例
- オフとオンを完璧に決めてしまう
- 最初の頃は感受性が高いが、どこかで感受性が悪くなり、血中脂肪になってくる
感受性が悪くなっている見極めとして、糖分を摂った時に1日中、だるい、眠いと感じる。活動的ではない。パンプしない。といったことが顕著に表れるので、そういう時は注意で、ボディビルダーで経験している人は多いとのこと。
また、持久力がない、トレーニングをするとすぐに息が切れるといった現象も顕著に表れるそう。
上記を感じた場合は即座に減量しましょう。
このような状態に陥らないために、オフの時はとにかく増量!ではなく、オフの中でもなるべくオンを作るのが大切。
2週間ぐらいジャンクフードなしでクリーンなものでたくさん食べることでインスリンが回復するので、そういったこともしていきましょう。また、糖分を少し減らすことで膵臓が回復するので、体調も良くなる傾向にあるとのこと。
増量ばかりに目を向けるのは危険、ということですね。
減量したくない人は?
とはいえ、減量はしたくない…という方も中にはいると思います。
そういった方は少しハイピッチな有酸素運動を推奨。長くて20分ぐらい、ハイピッチで10分ぐらいが有効とのこと。
減量したくない場合は?
そうはいっても減量はしたくない!という方もいるでしょう。
そういった方は少しハイピッチな有酸素運動をしましょう、とのこと。
時間としては、長くて20分ぐらい、ハイピッチでやる場合は10分ぐらい。
有酸素運動を取り入れることで、オフの時に摂った栄養素が筋肉や肝臓にいったり、他の吸収がよくなるとのことなので、減量したくない方は取り入れてみるといいでしょう。
体重のコントロール
体重の増やし過ぎは非常によくなく、また感受性を良くするために減量してから増やした方がいいそうです。
減量することで余裕ができるのも理由の一つ。また、体重を増やし過ぎると減らすしかなくなるといったこともあります。
対策として、オンの中でもオフを作ったり、オフの中でもオンを作るようにしましょう。
代謝が下がらないようにしないと、筋肉のサイズが小さくなってしまうので、注意が必要と警鐘を鳴らしていました。
ただ、どうしても食事が我慢できないという方は一週間に一度ぐらいチートデイを設けてあげるのがいいとのことです。
カロリーコントロール
基本的な部分ですが、体重の増減は以下で決まってきます。
摂取カロリーよりも消費カロリーが多ければ体重が減りますし、逆に消費カロリーよりも摂取カロリーの方が多ければ体重が増えます。
つまり、体重を増やしたいなら消費カロリーよりも摂取カロリーを多くしなければいけないということです。食べても体重が増えない場合、摂取カロリーが少ないということになります。
この時注意しなければならないのが、たんぱく質を増やし過ぎないことです。たんぱく質を増やし過ぎるとエネルギーになってしまうため、糖質を増やしてたんぱく質の利用制限をしてあげることが大切。
無駄にたんぱく質を増やし過ぎることのもう一つの弊害として、ダルいとか眠いといったことが怒ってしまいます。そのため、体重を増やしたければできれば糖分や脂質を増やすことを意識しましょう。
いい脂肪と悪い脂肪
脂質というととかく悪者にされがちですが、同じ脂質でもいい資質と悪い資質があります。
摂ってはいけないのは最近耳にする機会が増えてきたトランス脂肪酸。マーガリンやお菓子に入っており、とくに菓子パンは多く含まれています(四角くてふたつ入りの人気の菓子パンにも大量に含まれているとか…)。
トランス脂肪酸を多く摂ってしまうと血中がドロドロになってしまうだけではなく、インスリンの感受性も悪くなってしまうので要注意。
では、どういったものなら摂取していいのでしょうか。
脂質を摂るなら、以下のようなものがお勧めです。
- Mctオイル
- 亜麻仁油
ダイエットにも人気の油ですね。
脂質を摂らないと男性ホルモンや女性ホルモンのバランスが崩れてしまい、男性の場合、テストステロン値が下がってしまうといったことが起こってしまいます。結果として、肩とか腕の筋肉が落ちてしまうということに…
そうならないために、脂をしっかり摂ってコレステロールを調整した方がちゃんとテストステロンが出やすくなるとのこと。
また、摂り過ぎはよくないが、アラキドン酸が入っているものを積極的に摂ってもいいと鈴木雅選手は言います。
アラキドン酸が入っている食材
- 甲殻類(プリン体が多いのでほどほどに)
- 牛肉
- イワシ
- サバ
これらはテストステロン値が上がるといわれているとのこと。
脂肪を増やさないで筋量を増やしたい
太らないで体をデカくしたい!
これはトレーニーなら誰もが思うことだと思いますが、残念ながらそれは難しいとのこと。
無駄に脂肪を増やしたくない場合、消費カロリーと摂取カロリーをイコールぐらい摂るのがいいそうです。
減量中は消費カロリーは代謝で落ちているので、まずは戻してあげる必要があり、徐々に摂取カロリーを増やしていくようにしましょう。
ペースとしては、毎週200kcalぐらい糖質で増やしていくのがいいそうです。
摂取カロリー例
普通に行動していて、一時間ぐらいトレーニングしている場合
除脂肪体重×50ぐらい
例:70kg 体脂肪10%の場合
63kgが筋肉や骨なので、以下の計算式になる。
63×50=3,150kcal摂った方がいい
ただし、これは人によって全然違ってきます。
一日中動いている人(現場仕事の人など)と一日中動かない人(デスクワーク、トレーニング以外動かない、など)では当然消費カロリーが変わってくるので、一概に数式に当てはめて考えればいいというわけではありません。
たんぱく質の摂取量については除脂肪体重×3ぐらいが目安とのこと。
では、どのタイミングにカロリーを摂取してあげるのがベストかという話ですが、トレーニングしている時間は筋肉が分解しやすく、合成もしやすいので、カロリーをトレーニング前後に集めてあげたほうがいいです。逆に、トレーニングをやらない時間帯はあまり摂らない。
トレーニングしていない時間は太りやすい人は糖分を制限してあげ、脂もいいもので摂ってあげるようにしましょう。
ボディビルダーの方だと仕事同然になっていますが、筋量を付けたい場合、食事もトレーニングも頑張らないといけません。
インスリンは脂肪も付きやすい
インスリンは筋肉以外に、脂肪を付けるというのはすでに書きましたが、ではどれぐらい摂取するのが理想的なのでしょうか。
これは年齢によって変わってきて、若い内はガンガン摂った方がよく、30代、40代になってくると必要な時に摂ったほうがいいとのこと。
年齢が上がってくると扱う重量が上がるよりも関節が痛くなってしまうが、若い内は体重や扱う重量がついてきて、扱う重量が増えている内は体重が増えてこない、といったことが見られるようです。
鈴木雅選手も若い頃はそうだったようですが、30歳を超えると体重が増えると扱う重量が増えるといったことがなかなかそういうことがなくなってきたとのこと。
血流循環と心臓の大きさは大事
意外と語られていないことですが、心臓の強化はかなり大事と鈴木雅選手は言います。
筋肉を50gとか100g増やすのに毛細血管をすごく増やさないといけないというのが理由です。
新しくできた筋肉は毛細血管が発達しないですぐに乳酸が溜まってしまい、乳酸受給をするリンパ管が発達していないのですぐに水が溜まるといったことが起こります。また、血流も止まってしまいます。
毛細血管を作るためには、心臓からどんどん血液を流してあげる必要があり、栄養もいっぱい摂る必要があります。
筋量を増やしたいときは、少し心臓を鍛えてあげるトレーニングをしてあげるといいとのこと。
最大心拍数を上げるトレーニング
学生時代にハードに部活をやっていた人は元々心臓が大きいので、大きくなりやすい、といったように心臓の差があります。
個人差はあるので、ここもまた地道な努力が必要です。
トレーニングとしては、自転車のパワーマックスやインターバル走などがいいそうです。
※パワーマックス:競輪のようなエアロバイク
目安としては、
- 週に2、3回ぐらいやるといい
- 心拍数を140~170ぐらいにしてあげたほうがいい(年齢による)
とのこと。
トレーニング中にインターバルを短くするのも心臓を鍛えるのにはいいそうです。
トレーニングメニューはどうするべきか
オンとオフのトレーニングメニューはどうするべきか。
とくに競技をやられている方にとってはひとつの課題なのではないでしょうか。
鈴木雅選手の答えは、基本変えない方がいい、です。
変えるなら、オンオフ変わらずレップ数を上手く調整し、無理をしないことが大切とのこと。
オフはやりすぎない方がよく、量より質が重要。何セットもやるというより、1セットでしっかり出し切ることを意識した方がいいと言います。
筋量を増やすというより質が大切になる期間になりますが、やはり量も質、どちらも大切になります。
例えば少ないセットでやっていくと、減量するとき筋密度がなくなりスカスカになってしまいます。
ただし、質重視になるので、量をやるよりも1セットが追い込める(力が出る)からサイズは大きくなります。
一方で量をやると重さが伸びなくなったり、1セットの質は落ちてきますが、筋密度や血液循環がよくなり、質感が多くなるといった特徴があります。
大会に出る人は質も量も増やしていかなければならないので、両方しっかりとバランスよくやるというのは重要ということです。
身体がなかなか大きくならない人や全体的な大きさが必要という人は、セット数を少なくして質を狙ってもいい。
もちろん、回復も大事です。
オンの期間は、鈴木雅選手もデッドリフトなどは3セットぐらいやっているが、オフに入ったら意図的に2セットしかやらないか、2週間に1回しかやらないようにしているというようにコントロールしているようです。
また、得意な種目は3セットやっていたのを2セットにするとか、嫌いな種目を5セットやっていたのを3セットにするとかした方が伸びやすい傾向にあるとも言っています。
体重が増えている時の注意点
体重が増えると惰性でも上げられてしまうので、収縮を大切にするようにしましょう。
そうしないと、減量すると残らなかったり、質感が出なくなってしまうので、トレーニングが無駄になってしまいます。
トレーニングメニュー例
- ミッドレンジ種目:ベンチプレス、ディップス、ショルダープレスは重さを狙ってもいい
- 三頭筋:プレスダウン、二頭筋:ケーブルカールとかを丁寧にやる
収縮をしっかりと意識することで、筋量が残るようになるので、惰性でやらないようにするようにしましょう。
また、体重が増えてくるとスティッキングポイントが楽になるので、体重を増やしている時は簡単に超えられるようになってしまいます。
※スティッキングポイント:関節角度が変わると重さがきつく感じるポイント。
例えばスクワットの場合、下げた時に膝の裏や足首周りにクッションがあるので、体重が増えている時は意外と挙げられてしまう。
減量をするとそれがなくなるため、スティッキングポイントで潰れるようになってしまうといった現象が起こります。
もちろん、だからといって今までの重量にこだわる必要はなく、スティッキングポイントがなくなったことでわざと重量を伸ばすしてもいいです。ただ、それだけにならないようにするようにしましょう。
逆に、丁寧に上がるセットや種目も重要視してもいいです。これは自分の目的や好みによって変わるということですね。
また、このように順調に重量が伸びている場合、怪我のリスクも増えます。
重量があるところまで伸びて怪我をし、また重量を下げて同じ重量で怪我をするようであれば、体の歪みが出ている可能性があるので、まずはそこを治した方がいいとのこと。
鈴木雅選手もスクワットで240kgぐらいにいくと必ず怪我をしていたとのことです。
減量しているときは調子によって上がったり上がらなかったりするので、オンの時は量と質をミックスしてもよく、オフは分けてもいいです。
トレーニングメニュー例
- 量が必要:扱う重量が軽い種目。アイソレート種目:ペックフライ、レッグエクステンション、など
- 質重視:ベンチプレスを多くする、など
両方回数を少なくするといったやり方もあるので、ここは体調や目的によって変えていきましょう。
量と質となると、セット数とレップ数、どちらが重要かといった話になってくると思います。
これも目的によりますが、パンプが目的の場合は20レップぐらいだと軽すぎるので、8~12レップ、もしくは10~15レップぐらいがいいということです。
まとめ
今回はいつも以上に長くなってしまいましたが、かなり重要な話が詰め込まれていました。
いろいろと調べていると聞いたことがあるものもあると思いますが、それでも重要なポイントが凝縮されている内容でした。
筋量を増やしたいなら、改めて意識したいところですね。